天然100%
「俺も帰ろ」
松崎はあたしから手を離した。
「あんた何しに来たのよ」
「助けてやったじゃん」
「どこが?」
「どっから見ても」
松崎は平然と言った。
眠そうにあくびをした。
「てかなんで口押さえたのよ」
「ケンカになって騒ぐと目立つし」
「別に目立ってもいいけど」
あたしは由梨の言葉を
思い出してムカムカした。
「じゃ」
松崎はもう歩きだしてた。
「ちょっ・・・松崎!」
店から出る松崎を追う。
「まだなにか?」
「あ・・・ありがと!」
あたしは思いきって叫んだ。
松崎が微笑んだ気がした。