天然100%
「いいなー」
隣りで歩いてた美鈴が
小さな声でそう呟いた。
「え?」
「遊斗に助けてもらって」
「あぁー・・・」
あたしはスネてる美鈴に
なんて言おうか悩んだ。
「美姫はなんか特別だよね」
「え?あたし?」
「遊斗って美姫には手出さないし」
「それは・・・」
それは確かにあたしも不思議だった。
初めて会ったときは
ナンパされはしたけど。
でも天然で女好きの遊斗は
あたしにキスしたりしてこない。
「あたしに魅力がないとか・・・」
自分で言っといて悲しくなった。
「大事にしてるって感じー」
「それは美鈴もじゃん!」
「あたしはどうでもいいみたい」
美鈴は遠くを見つめてた。