天然100%


「いいなー」


隣りで歩いてた美鈴が
小さな声でそう呟いた。


「え?」

「遊斗に助けてもらって」

「あぁー・・・」


あたしはスネてる美鈴に
なんて言おうか悩んだ。


「美姫はなんか特別だよね」

「え?あたし?」

「遊斗って美姫には手出さないし」

「それは・・・」


それは確かにあたしも不思議だった。

初めて会ったときは
ナンパされはしたけど。

でも天然で女好きの遊斗は
あたしにキスしたりしてこない。


「あたしに魅力がないとか・・・」


自分で言っといて悲しくなった。


「大事にしてるって感じー」

「それは美鈴もじゃん!」

「あたしはどうでもいいみたい」


美鈴は遠くを見つめてた。

< 70 / 124 >

この作品をシェア

pagetop