天然100%
「あれ?」
先頭を歩いてた遊斗が
ゆっくりと首をかしげた。
「どうした?」
「この風景さっき見た気がする」
「は?」
松崎は周りを見回した。
「確かに」
「えぇー!!」
それって同じとこを
ずっと歩いてたってこと!?
「下ってたはずなのにな」
「おかしいなー」
「どうなってんだ」
松崎は表情を硬くした。
「おい」
「なにー?啓介」
「あそこの林のほう」
松崎が指さす方向を
見てみるとガサガサしてた。
「な、なになに!?クマ!?」
「えぇー!!」
あたしたちは息を止めて
その方向をじっと見つめた。