天然100%
「あのさ・・・」
遊斗がなにか言いかけたけど
あたしはそのまま部屋を出た。
「遊斗なんか・・・」
あたしは廊下を足早に歩いた。
「暗ーい」
思わず呟いた。
ホテルのロビーは誰もいなくて
電気がついてなくて真っ暗だった。
「あたしの心みたい」
なんとなくそう言ってみた。
ホテルの庭みたいなとこに
出てみたら月が光ってて綺麗だった。
「おい」
「ぎゃっ」
突然後ろから声がして
変な悲鳴をあげてしまった。
「誰だ?」
「そっちこそ誰なの?」
「その声・・・宮村か」
「え?」
暗闇から出てきたのは
不機嫌な表情の松崎だった。