LOVEはおいしい香りと共に
窓から外を覗くと校門の所では友達や親と写真を撮る人達。
賑やかな声が聞こえる。
この部屋では外とは違う静かな空気が流れる。
「……卒業かぁ…」
まだ卒業したことを実感していない私。
1人でポツリと呟く…
「卒業…おめでとう…」
1人だと思っていた空間に私ではない人の声。
振り向かなくったって分かるその声。
私が大好きな低くて優しい声。
「…卒業おめでとう、ケンちゃん…」