PURE
告白
遠野さんはただ黙って、走り続ける。
階段という階段をかけ登り、息も荒いという段階を越えた時にようやく到着した場所は、立ち入り禁止の屋上だった。
「とっ、遠野さん…?」
遠野さんはただ真っ直ぐ前を見つめている。
すると、いきなりあたしの方に振り返った。
「海野さん、
あたしのこと知ってる?」
「実は、今日会ったのが初めてで…。」
「そっかー。
そうだよね。
あたしと海野さん、去年同じクラスだったんだよ。」
………え?
「まあ無理もないか。
ろくに学校行かなかったからね。」
遠野さんは白い歯を見せて笑った。
「本題に入るね。」