時の雫 白銀の瞳
死を覚悟し、私はぎゅっと目を閉じた。
低い唸り声と、大きな足音が近くなる―――
『ギィィィァァァ!!』
殺されるっ―――
あ、あれ?
痛くない…
一層大きく物凄い唸り声を上げる獣。
悲痛な鳴き声に、固くつむっていた目を開ける。
先程の獣の首元に喰らいつく、ひと回り小さな黒い影。
抵抗も虚しく、首をガクッと垂れ、息絶えたのを確認すると、首から鋭い牙を外した黒い影が、ゆっくりと私に目線を合わす。
艶やかな黒い長毛。
ビー玉のように輝く瞳。
『ジャ、ジャスミン…!!!???』
そこにいたのは、確かに愛猫のジャスミンだった。
ただ、じゅ、10倍?いやそれ以上に巨大化しているけど…
『…ジャスミン?』
恐る恐る呼びかけ、手を差し出してみる。
『ナァン…』
いつもの可愛らしい声で鳴いたかと思うと、その体はみるみる小さくさっていく。
私の足に絡まりついて甘える姿は、変わりなく、私のジャスミンだ…
ほっとして、私はまたボロボロと泣いてしまう。
低い唸り声と、大きな足音が近くなる―――
『ギィィィァァァ!!』
殺されるっ―――
あ、あれ?
痛くない…
一層大きく物凄い唸り声を上げる獣。
悲痛な鳴き声に、固くつむっていた目を開ける。
先程の獣の首元に喰らいつく、ひと回り小さな黒い影。
抵抗も虚しく、首をガクッと垂れ、息絶えたのを確認すると、首から鋭い牙を外した黒い影が、ゆっくりと私に目線を合わす。
艶やかな黒い長毛。
ビー玉のように輝く瞳。
『ジャ、ジャスミン…!!!???』
そこにいたのは、確かに愛猫のジャスミンだった。
ただ、じゅ、10倍?いやそれ以上に巨大化しているけど…
『…ジャスミン?』
恐る恐る呼びかけ、手を差し出してみる。
『ナァン…』
いつもの可愛らしい声で鳴いたかと思うと、その体はみるみる小さくさっていく。
私の足に絡まりついて甘える姿は、変わりなく、私のジャスミンだ…
ほっとして、私はまたボロボロと泣いてしまう。