時の雫 白銀の瞳


自分の意思で、あちらの世界に行く事を決めた。



真実を知る為に――。


先程の大量の荷物を抱えて、私は眠りに付こうとしていた。

次に目覚めたら、どっちにいるの?

不安だったけど、このモヤモヤは確かめてみなきゃ無くならないから…。


『美琴、今度は離さないから安心しろ。安全な場所で目覚められるから。それと…大丈夫だったか?』

『何が?』

何を聞いているかはわかってたけど、あえて言わなかった。

だって…。

あの人は理由も聞かずに頷いただけだったから。


いつ戻るかわかんないって言ったのに、私を見ようともしなかった。


一応…ケジメをつけたかったのに。真ともに話もできなくなっていた。



『……いや。では、我と共に…。∬ε£φη…』


目をつむっていても、光に包まれていくのがわかった。


段々と遠くなる意識―――。



エルドラという世界が、私を迎えている。

どんな場所で、何をすればいいかはまだ不透明だけど…。



あっちには、私の居場所があるような気がしてならなかった―――――。
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