時の雫 白銀の瞳
『ジャ…ジャスミン……』
その存在を確かめるゃうに、恐る恐る手を伸ばす。
もう、現実か夢かわからない。
『大丈夫だ…、大丈夫だ、美琴…。』
私を落ち着かせる為に、ジャスミンはその体で私を覆う。
呼吸は乱れたまま、肩で息をする。
酸素が、血液中に行き届いてないのか、クラクラとする頭とぼやける視界…。
『な、なんだった…の?…』
言葉を発して現実感を得ようとしまものの、本当に自分がそこにいるのかわからない状態だった。
『まさか…、その娘…、そこまでの力を持っていたとは…。』
ジャスミンの後方から聞こえてきた声に、私は体を硬直させた。
嫌な思い出が、甦る。
カミア王が驚いた様子でこちらを見据えていた。
『あ、あ…、いやっ』
拒絶反応だろうか、心臓はバクバクと音を立て、嘔吐感が込み上げてくる。
『恐れいります…、カミア王。一度、二人きりにしていただけませんか?せめて、美琴が落ち着きを取り戻すまで…。』
突然のジャスミンの言葉に、少しムッとした様子を見せたものの、何も言わず、カミア王が小さくなっていくのがジャスミンの肩越しに見えた。
私は大きなため息を数回繰り返すと、少しずつ意識がはっきりしてくるのを実感する。