時の雫 白銀の瞳
『大丈夫か?』
私の呼吸が安定したのを確認し、ジャスミンが静寂を破った。
『だ、大丈夫…。一体…なんだったの?』
現実に戻るとともに、襲ってくる先程の恐怖。
ギラリとした不気味な目と、迫ってくる奴の腕。
『すまなかった…、美琴の側にいてやれず…。』
あまりにも申し訳なさそうな表情を見せるジャスミンに、私はそっと触れ、温もりを確かめるように寄り添う。
『…もう少し、自分の力をコントロールできるようになればいいんだが…。』
ジャスミンが言い放った言葉に若干驚いて聞き直す。
『力って…、何?私になんかあるの?』
疑問に思い、聞き返す。普通に育ってきたごくごく平凡な私に、とても特別な力があるとは思えない。
『…知らされていないのか?』
先程の私を包み込むような優しい眼差しが、一瞬にして曇り、険しくなった。
『知らされる?……誰に?』
一旦は落ち着きを見せていた私の心臓が、またどくどくと波打ち出した。
『ど、どういう事?』
苦しくなる胸を自分の手で強く抑えながら、ジャスミンを見つめる。