時の雫 白銀の瞳
『…っ!』
どっしーん。
床に叩きつけられた腰の痛みに涙が出る…
あぁ、私って本当に馬鹿……って、痛くない…
自分の体の下の柔らかい感触がなんなのかわからず、目を閉じたまま触ってみる。
ん?温かい…?
『大丈夫か?あまり触らず、どいて欲しいのだが…』
え?え?
目に飛び込んできたのはカミア王のどアップ…
『わ、わ、ごめんなさい!』
一気に体を起こそうと腕に力を入れるけど、私はパニック状態で、力が入らず、床につくはずの手は宙をからぶっていた。
カミア王の胸に顔を埋める状態に陥ってしまい、更にパニック状態だ。
かすかに聞こえてくる胸の鼓動に、私の心臓の音が重なる。
不謹慎にも、かなりドキドキしてしまい、体に力が入らなくなってしまった。
『おい…?』
カミア王の若干戸惑った声に我に返り、はっと顔を上げる。
うわぁ、恥ずかしいよ~
『あ…、ごめんな…さ…い…』
視界に入り込んできた瞳に、吸い込まれてしまいそうだった。
なんて透き通る瞳をしているんだろう…
私を見つめるその瞳から、目が離せない。
あの時は恐怖心だけで見ようともしなかったけど、じっくり見ると、凄く整った顔をしている。