神様のきまぐれ
 
誰も聞いた事のない、
ソウルフルなバージョンに、
会場はのまれていく。


声だけのハーモニーが
終わった。


静まり返ったホール。


やがて、

拍手と歓声が、
沸き上がった。


照明の色が変わる。


日向さんのベースが入り、
ドラムが重なる。


志央のMCで、
会場の空気が、再び、
活気にみちたものにかわるのを
舞台ソデの
コーラス位置で感じる。


音が、

空間を支配していた。

特別、凝った舞台装置が
あるわけでもない。


効果的に
必要なものが
配置されているだけ。


この空間を作っている彼等は、

本当に
根からのアーティストだと
思った。


演奏してるカルディナは
モチロンの事、
音響や、演出、メイク、
会場手配等細かな全てを、
カルディナは私設の
オフィス集団で賄う。

そこは、
カルディナを演出する為の
プロ集団で。


それを立案し、実行したのは、
当時、まだ高校生だった
志央だそうだ。



彼の才能には、
本当に感心させられた。


アンコールも無事に終了し、
幕が下りる中、そんな事を
実感していた。




 
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