神様のきまぐれ
種明かし
幕が降りて、
ソデにはける。
美術スタッフが
原状復旧の為、
待機している。
人で通路が狭くなるなか、
先にステージをはけたヒナコが
俺達を待っていた。
志央が、速攻でヒナコを
見つけ飛び付く。
「スッゲー良かったよ!ヒナコ」
ハグして頬にキスをし
シャワールームに
消えていった。
「ヒナコ、お疲れ様。」
元田も、ヒナコの肩を抱き
額にキスをしていく。
・・・何だよ
こいつら・・・。
更に、山本が
俺の様子を伺いつつも
あとに続く。
オマエもかっ?!
むっとする。
確かに、ライブは
大成功だった。
よかったけど・・。
クソッ・・・
コイツらが、
何で触る・・・?
ヒナコは・・・。
「お疲れ様です。」
近づけば、
ヒナコは感動したのか、
潤んだ瞳をしていた。
ライブの仕上がりが
目に見えて良くなったのも、
俺の悩みが解決したのも・・。
オマエが・・・
ここヘ来てくれたから。
「サンキュ。ヒナコ。」
その思いをこめて、
唇にキスを、おとした。
先に戻ったはずの、
志央と元田が、
オモシロそうに
俺の様子を見ている。
「わかりやすい男だな。日向は。」
元田が笑った。
「うるせーよ。」