神様のきまぐれ
面倒くさくなって、
言った俺に、
まだ、元田は横目で
見ながら続けてくれる。

「だってな。
ヒナコは、小さくて
かわいいもの。」

「元田、しつこい。」

「心配してんだぜ?
これでも。」

「それは、どーも」

ヒナコの様子を伺いながら、
こんな調子で飲んでいたけど、
本当に志央は、
俺が近づけないほど、
ヒナコのそばを
離れなかった。

フラストレーションが
たまっていく。

ごまかす為に、
更に、酒をあおる。

「ちょっと、コウジさん
飲み過ぎだって・・・。」

さすがに、山本が止め出した。

こうなってる理由すら、
自分でもわかってる。

だから・・・

「うるさい」

八つ当たりしてしまう。

「あ?!日向!オマエ!
山本に罪ないでしょ?
オマエが腹立ってるのは、
志央みたく素直に
なれないからだろ?」

こうして、
元田に怒られるハメになる。

「あ、も。おまえら、
うるせー・・・。
俺は大丈夫だよ。」

「何が、大丈夫だ。
しょうがねーな。
コイツは。」

元田が立ち上がる。

「水、おいとくからね。」

山本も立ち上がり、
後をついていって。
俺は、一人、
宙を見つめていた。


 
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