神様のきまぐれ
さすがに、
今日は飲み過ぎてる。

自分で、
押さえが効かなくなっていると
わかっていた。

でも、飲まないと
やってられない。

再び、グラスに
手をのばす。

「ダメよ。日向さん。
元田さんが、今日は
飲み過ぎだって。」

グラスが差し替えられ、
その手の主を見る。

「ああ・・・ヒナコか。」

何故だか
笑みがこぼれた。

「日向さん、皆のところに
行きませんか?
だいぶ、席も空いたし。」

ヒナコが言って。

「いいよ。こっちで。」

そう答えたのは
二人でいたいと
思ったから。

「座れば?」

立ったままのヒナコを
みあげていった。

彼女をみあげる事なんて、
初めてのような気がする。

並んで座ったものの、
なんだか無言で
時がながれる。

何から話せばいいか
わからない。

聞きたい事は、
ちゃんとあるのに。

何から聞けばいいのか、
正直、混乱している。

が、要約口を開いた。

「ヒナコ・・実家、
帰るって?」

「あ。そうなんです。
一回帰ろうと思って。」

「そうか・・」

もうこっちには
帰ってこないのか?って、
聞きかけたが、
ヒナコの意外な一言で、
話がそれた。

 
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