神様のきまぐれ
猛烈な頭痛と怠さが襲う。
呼吸すら辛い気がする。
当然の如く、
二日酔いが俺を
襲っていた。
「あったま・・いてー。
頭い・・・た。」
朝になって、
元田に起こされる。
「ほらみろよ。
いわんこっちゃない。」
久々に体感する
不快感・・・。
それでも、
自分が穏やかな
気持ちでいるのは、
朝の弱いヒナコが、
まだ手をつないだまま、
自分にもたれたまま
眠っているから。
昨日の会話が、
夢じゃなかったという
実感からだろう。
「ヒナコ、起きろよ。」
元田は、彼女を起こすため、
軽く揺さぶる。
「元、やめて。触るな・・
死ぬ・・・。」
触れ合った体を介して、
振動が脳波に干渉してくる。
「日向、送ってやるよ。
ヒナコもおいで。
方向一緒だろ?」
寝起きはいいらしく、
始発で帰るから
大丈夫だって話している。
バカ、始発ったって・・
人が少ないのに、
アブネーだろ。
飛びそうな意識の中で
突っ込む。
「遠慮すんなって。
ヒナコも来な。」
元田が俺を担ぎながら、
ヒナコにいってる。
「山本。志央、頼むぞ!」
「おー。」
元田と山本の会話で、
志央もダウンした事を
知った。