神様のきまぐれ
 
電話だろうか・・?

男の人が話す声がして、
はっとした。


柔らかい感覚・・・。

寝てしまった様で、
私はベッドに
横たわっていて。

時計の針は、
お昼を少し過ぎた頃を
指していた。

リビングを覗くと、
日向さんが
電話している。

『ああ。今、起きた。
ヒナコ?寝てるよ。』

私の気配を感じたのか、
彼は、こちらを振り返る。

『あ。起きた。』

って、相手に伝えている。

電話を切ってから、
彼はバツが悪そうに言う。

『元ちゃん。
ヒナコに詫びいれとけってさ。』

照れてる。

いたずらっ子みたいで、
なんだかかわいい。

『そんな事
あ。そうだ。
冷蔵庫にフルーツ
入れておきました。
ビタミン補給
しておいてください。』

『すごい・・・。
至れり尽くせりだな。』

彼はいう。

なんだか、戸惑いに似た
微妙な空気を感じる。

多分、私が昨日・・
変な事を、
いったからだろう。

私は、
探りあうような
この雰囲気に
堪えられそうになくて。


だから


『日向さん、
もう大丈夫ですよね?』

『ああ、多分ね。』

その言葉を聞いて、
長居は無用だと思った。


『じゃあ、私、
これで失礼します。』





 
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