神様のきまぐれ
「君、いくつなの?」

すごい偶然だな・・・
驚きながら尋ねた。

良く似た姉弟でありながらも、
ヒナコの場合、おっとりした
性格が現れてる為か、
もってる雰囲気は、
全くといっていいほど、違う。

「21歳です。
学校、こっちなんで・・・
今日、久々に島に帰るんです。
姉に会うのも、数年ぶりで。」

人懐っこい笑みを浮かべながら
そんな返事が返される。

「へえ。
OLって忙しいの?」

キョトンとした表情で、
元田が聞いてくる。

「しらねーよ。
俺も一般企業で
働いた事ないから。
バイトしたくらいでさ。」

俺達の、世間ズレした
会話を聞いていたタクトが、
口を開いた。


「あのぅ。」

いいにくそうに、
俺の顔をみる。


「ん?」


ほとばしる嫌な予感。


「日向さんて・・・


姉とつきあってるって、
本当ですか?

俺、昨日、
ツレに雑誌見せられて
ビックリして・・・。」


「あ・・・」


答えを探す。

あの記事な。

家族だもん、
びっくりするよな。

・・・多分、

俺が
一番驚いたと
思うけど。



しかし、なんて、
答えればいい?


正直にいうか?

既成事実にするか?



 
< 137 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop