神様のきまぐれ
両親を含めた、
成人七人分の食事・・

考えるだけで
作る気力も萎える。

けれども、そうも
いってられない。

タクトと母からの
リクエストディッシュの
下準備を済ませて、
買い物にでかける。

祖父が、付き添いを
かってでてくれたが、
論文を書いてるらしく、
遠慮した。


長いスロープを下って、
公道にでる。

そのまま海沿いの道をあるけば
桟橋にさしかかり、そこからは
珊瑚礁がキレイにみえる。

地元ならではのスポットだ。


「ヒナコ!!」

海の方から声がした。


まさか・・と、思いつつ、
眼下の海を覗き
言葉を失った。


「・・・?!!

何やってるんですか?!」

目にした光景といえば、
男三人、服のまま、海の中で
息を切らせてるところで。

「魚つかまえてたんだ。」

日向さんがいう。

「つかまえてたって・・・・
まだお風呂も
たいてないのに・・。」

この人たちは・・・。

ヒナコは頭痛を覚える。


でも、三人とも、本当に
楽しそうに遊んでいて。

たまの事だし、
いいかなって
気分になった。


 
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