神様のきまぐれ
「いや〜、
このボーズらに
やられた。」

おじさんは、楽しげに、
タクトと日向さんを、
ひっつかまえていた。

日向さん?!

元田さんの間違いじゃないの?
と、思って、彼の方をみたけど
彼の瞳は、イタズラっ子
そのものだった。


ホントは、

こんな表情を
する人なんだ。


いつも、
クールな表情が
多いけど・・


なんだか
可愛くて

仕方なかった。


おじさんに、二人の代わりに
お詫びを述べたけど、
このくらい元気のある
オトコの方がいいといって、
気にも留める様子がない。

「ヒナちゃん、このボーズら、
じーさん家に泊まってるんか?」

酒盛りの気配がする・・・。

頷くと、やはり、
聞き慣れた言葉が続いた。

「あとで行くって、
じーさんにゆうといて。
酒とアテ、もってくから、
一杯やろうや。」


日向さんは、御礼をいいながら
私が腕に抱えていた、
買い物袋を受け取った。


少し、陽の傾いた
海沿いの道を、
弟と元田さん、
私と日向さんの並びで、
引き返す。

弟達は、大分前を歩いていて
30メートルほど間が
あいている。

二人は、たいした気のあい様で
日向さんと二人、
その様子に、笑い転げていた。



 
< 149 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop