神様のきまぐれ
「かなりね。」
日向さんは、
うつむき加減に続けた。
「俺、
オマエがいないと
ダメかもしれない。
時が経てば、
忘れる事が
できるんだろうけど。
ヒナコは・・・
ヒナコの事は、
ダメかも。
顔見たらダメだな。
連れて帰りたくなる。」
時折、目の端で、
私が聞いているか
確認しながら。
言葉は言葉として、
あたまに残っているけど。
何だか、夢心地で。
自分に、
言葉を向けてくれていると、
信じられない
気持ちもあって。
明日になれば、
目覚める夢かもって。
彼の言葉が、
嬉しくもあり、
怖かった。
だから・・・
必死で紡いだ言葉は。
「やだな・・。もう。
日向さんたら・・。」
私の勘違いであっても、
笑われないように。
万が一、本当だったら?
・・・って。
勘繰りもあって。
選んで発した言葉は、
掠れていて、
あまりにも震えていて。
明らかに、
真に受けてる
声色でしかなかった。