神様のきまぐれ
「ねえちゃーんっ！！
今日の飯なにっ？！」

タクトの場違いな絶叫の質問が
そんな会話の終了を告げた。


思わず、二人、
みつめあい、言葉を失った。


「あれっ・・？」


タクトの、
何かマズイ事いった？と
言わんかの表情に、
二人で笑ってしまった。


その後は、穏やかで、
はたまた賑やかな時間が
過ぎていった。

おじいちゃんは、
大好きなお刺身を、
日向さんにおろしてもらって、
（実家が小料理屋で、学生時代
コキツカワレタそうだ。）
さっさと二人で飲み始めた。

元田さんは、
おじさんが連れて来た、
地元の大勢の人達と、
楽しく酒を酌み交わしていた。

料理を出しながら、
そんな二人の様子を
みていたけれど、
ほんとに、あの光輝く
ステージに立ってると人と
同一人物だと思えない。

すごく馴染んでる・・。


あんな、情熱を帯びた
台詞を聞かせたと思えぬほど、
日向さんは穏やかだった。


私・・・

やっぱり、日向さんが
好きだ・・・。


あ。


いいそびれちゃった・・・。




　
< 152 / 172 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop