神様のきまぐれ
「よく分析しているね。
私が・・・君と、
同じ立場だったら、
相手に話すよ。
そういう想いを。

解決はせんでも、
心残りはなくなる。
決めるのは相手でも
あるんだから。

情熱なんてものは、
熱いうちが良くってね。
あまり、背負いこむもん
じゃないよ。」

彼は、笑っていった。


「そうかも・・
しれませんね。」

相手と共に、
歩むモノだから。

一緒に、答えを探れば、
いいのかもしれない。

「大丈夫。
ヒナは、自分で
判断できる子だよ。」

まあ・・・
時間がかかる事が多いから、
促さんと、中々答えんぞ。
と、付け加えた。

彼は、最初から最後まで、
変わらぬ笑顔で、接してくれて
こうして海沿いの通りで
別れたけれども、
なんだか、別れがたい
気分になる。

彼の、すっと背筋の伸びた
後ろ姿を、しばらく
見送ってから、俺は、
引き返した。



 
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