神様のきまぐれ
とりあえず、
約束した回数のステージを
こなさなきゃいけない。
その間、リハのないときは、
彼らの所属事務所で
アルバイトをして、
お給料をいただけるよう、
当面の契約もしてくれることに
なった。
こんな急展開も、
志央の一言で、
全て半ば強制的に決定した。
私は、予定外に、
何とかクビがつながった
形になったけど・・・。
日向さんには
大変な迷惑を
かけたことになる。
しかも
成り行きとはいえ、
カノジョなんて・・・
嘘を、公言したばかりに、
ほとぼりが冷めるまで、
今後の私の面倒は
彼にのしかかるだろう。
今だって、既にそうだ。
「ヒナコ、ごめんな。」
日向さんは、疲れ切った表情で
そういった。