神様のきまぐれ
 


『コウジさんが
感情的になるなんてね。
面白いね。

人のオンナ盗るって
シナリオも有りかもね。』


昨夜の志央からのメールを、
再々度よみかえし、
思わず舌打ちする。


「俺を巻き込むなっつーの。」

タバコをくわえて
火をつけた。

タバコの煙が
喉にしみて
眉をひそめる。


今日は動く気がしない。


このノドの感じは
風邪だな。

薬を探す。


あー、ない・・・。


シャッターの開く音がして、
パーキングに、人の気配が
消えた。


ヒナコが来たんだと
わかった。


「何で・・俺が
感情的になるんだよ・・。
ムカつく。」


確かに、彼女は
スレてなくて
可愛いけど・・。

俺のタイプとは違う。


じゃあ・・

なんで・・・

プラチナチケットなんて
渡したんだろう・・。

そうしたのは・・

そもそも
気まぐれからで・・。


志央より以前に、
俺が、気まぐれを
起こしていたのかも
しれない・・・。



 
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