神様のきまぐれ
テーブルの上に、
チャリっと音をたてて
鍵が置かれる。
自然に調理が始まって、
片付けが終わり、
テーブルに料理がならぶ。
この光景って・・
どういうこと
なんだろう・・・。
「日向さん?」
ヒナコに呼ばれて、
はっとした。
「意外と手際いいんだな。」
半ば感心した俺の声に、
彼女は苦笑して、
喋るのが苦手なだけで、
ちゃんと、世間並には
行動るんだっていった。
「後片付けしておきますので、
休んでいてください。」
食事のあと、ヒナコが
食器を洗いながらいう。
「そうもいかないな。
次のライブ、新曲やるから
音つくないとダメだし。」
「明後日・・・の、ですか?」
彼女が、不思議そうに聞く。
「そう。
ライブでやってみて録る。
志央は、インパクトを
求めてるから、
反応をすごく気にするんだ。
多分、志央は
ニーノと比較されるから、
気になるんだろうな。」
ニーノは、
絶対カリスマ的な
ところがある。
実際、志央の感じてる
プレッシャーは、
相当なもんだろう。