神様のきまぐれ
「えっ?」

「用事・・なかったら、
もう少し、時間くれないか?」

不思議そうな
ヒナコの表情。

「ヒナコと
話がしたいんだ。」

いった自分に、
彼女がうなづいた。


薄暗い室内に、
間接照明が灯る。

どこかに迷い込んだような、
不思議な色合い。

室内の雰囲気のせいだろうか?

やけに
自分の鼓動を感じる。


何から話すか・・・。
何を話すか・・・。

本当は・・
特に話なんて、
なかったのかもしれない。


「どうしたんですか?」

ソファのひじ掛けあたりから、
声がかけられる。

適当に座れば?っていったら、
ここがいいって彼女はいって。

俺の座ったソファーに
もたれてるように、
床に膝を崩して座っていた。

猫みたいだなっていったら、
クスッと笑った。

だから、ヒナコの声は、
ソファーの座面の近くから
涌きでるように響いてる。

アルコールが
ほのかに回って来て、
ぽつりと言葉が出てきだした。



 
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