神様のきまぐれ
・・・そうだよ。
「ヒナコの
言うとおりだよ。」
缶をテーブルにおいた。
「志央の望む形は・・・
あいつ、気付いてないかも
しれないな。
俺の性格は、あいつの求める
音楽にあってないって事・・。」
「日向さん・・?」
なにか不安げなヒナコの瞳。
俺の不安が・・
伝わってるんだろうか。
抱き続けた
恐れにも似た感覚。
「アイツは、派手な事を
求めてる。
でも、それをすれば・・・
また全てがゼロに戻っちまう。」
「ひ・・・ゅう・・がさん?」
かすれた彼女の声。
戸惑ってるよな。
こんな・・・
本心聞かされて。
彼女自身、音楽の経験も
スキルもないのに。
救い様も、慰めようもない
本音を聞かせて・・・
俺は何してるんだろう・・。
手摺りに頬杖をつき、
ヒナコを見つめる。
彼女も動かないままで。