神様のきまぐれ
「何で、俺と寝たの?
・・・志央に、興味、
あったんだろ?」
「無くはないけど・・・。
私がずっと見てたのは・・・
日向さんだもの。」
おやすみなさい・・・って、
彼女はいって、帰っていった。
俺は・・・
ヒナコが
言葉が足りない事を
知っていた。
うまく話せないから、
聞かれた事しか答えない事も。
なのに
深く、その意味を
追究しなかった。
表面上の言葉のまま
理解してしまった。
「いつもと同じか。」
タバコの青白い煙が
天井に上る。
周りの男に近づいたのに、
俺で手を打つ。
何度もあった話で・・・
それを、軽い気持ちで
利用した事もある。
いまさら、心を乱すような
事もないけど。
『誰かのそばにいる俺』
じゃなくて・・
『個人』を、みてほしい
だなんて。
まだ・・
ガキの頃みたいな事を
思ってる。
バカだな・・。
ため息がこぼれる。
そして・・それと共に、
ヒナコに抱き始めた好奇心も
放棄してしまった。