神様のきまぐれ
「ねえ。
それ、ヒナコに言ったの?」

志央が、真剣な眼差しで尋ねる。


「聞いたのと、感じたのと、
合わせた所かな。」


あの日を・・
思いだしながらいう。


あの日は、
こんな風になるなんて・・
思わなかった。


「志央?」

何か考えていたように、
空をみつめていた志央が、
席をたった。

「俺ね。
結構嬉しかったんだ。

ヒナコが来て、あの人、
割に自分の線て越えないのに、
越えて関わってきてくれた。

近くなった気がして
嬉しかったんだ。

・・・そうか。

・・そんな事
思ってたんだ。」


志央は、二ッと笑って見せて、
スタジオに入っていった。


志央と、日向さんの想いが
交わるといいな。

二人とも、バンドに対して
真剣に考えてる。

この事務所の全員が
そうだろう。

だから、私設事務所を構えて、
カルディナというブランドを
守って育ててる。

私には、正解はわからない。

でも、カルディナが好き。

ここで会った皆が大好きだから
皆と離れても応援したいし、
もっと世間から愛される
バンドになって欲しいんだ。


だから、あの二人の想いが
溶け合っていい方向へ
向かってほしい。

 
< 90 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop