神様のきまぐれ
 
「何てゆうかな。

ヒナコは、オマエの周りにいる
オンナとタイプが違うだろ?
オマエの女だってゆう、
ステイタスがほしい訳じゃ
ないじゃないか。

そんな簡単に取り替えられたら
ヒナコは、立ち直れないだろ。」

そう説き伏せると、
なるほどねって、
志央はうなづいた。

「じゃあさ・・・

なんで、コウジさんは、
ヒナコを抱いたの?」

志央が、
俺を冷めた目で見つめる。

「さあね。」

ため息混じりに呟いた。


鉛を飲んだような苦味が
体の中心から全身に広がる。


「惚れてんの?」

奴の台詞に、思わず、
その顔をみる。


「そうなんだ・・・?」

奴が確認の言葉を
更に被せてきて。


「バーカ。
理由なんてないさ。
志央じゃないけどな。」


そうゴマカシたけど。

本当は、とっくに自覚してる。


その理由を。

認めたくないだけで。

何故、
認められないんだろう。


まだ子供みたいな事を
望んでいるんだろうか?

自分個人を見てほしい。

誰かのバックじゃない
自分の価値を・・・
みて欲しいなんて。


俺は、
そこまでバカじゃ
ないはずだ・・・。

割り切れてたはずだ・・・。


 
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