美湖 夜空を見上げてごらん?【月】

☆隠された真実

「ちょ・・・美湖!?帰るの!?」
途中で出会ってしまった心が私にそう言った。
「帰るんじゃない。帰るんだったらマドカ君連れてないでしょ。」
そう。私に後ろにはマドカがいる。




「三木・・・なの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「別にいいじゃん。三木で。何が悪いの?」
私は忘れたわけではない。ただ、三木なんていっぱいいるって思ったから、あえてお姉ちゃんのことには触れなかった。
「・・・無理してるんだろ?お前だって気づいてるんじゃないか。俺の姉ちゃんだぜ?
 三木ユウカって・・・。」
「う・・・・・・・・・・・・・・・そ・・・・・・・・・・・・・・・・。」
それっきり言葉が出てこなかった。
三木ユウカ、私のお姉ちゃんを自殺に追い込んだ人。私の一生のかたき。
「なんで?なんでそんなことあなたが知ってるの?」
「お前の母さん一回俺の家来たんだよ。お前も一緒に来てたじゃねえか。」
10歳の時、確かに行った。
「そこに俺もいたんだよ。」





「このたびは申し訳ありません!!」
その子のお母さんだろうか・・・。お母さんに謝っている。
「・・・顔をあげて?」
お母さんはやさしくそう言った。
「私たち雪原家はあなたたちのことを訴えたりはしません。ただ・・・ユウカちゃんから真実を聞かせてもらいたいがために来ました。」
 そう言って隠された真実が明らかになった。

「麻湖ちゃんは・・・クラスの人気者だった。かわいいし、勉強できるし、運動もできるし、ただ、虫が怖いとかかわいいところもあるし・・・、すべて望まれていました。私だってそのうちの1人だった。でも・・・麻湖ちゃんは私のことを好きではなかった。仲良くはしてくれていたけど、周りの子たちが私が来ると離れていったし・・・。で、麻湖ちゃんもとうとう近寄ってこなくなった。それが怖かった。私にとって友達という存在はどういうものなのか分からない。だから・・・麻湖ちゃんが私にそういうのを教えてくれたんだと思う。だって、麻湖ちゃんは人気者だったけど私には、友達なんて3人くらいしかいなかった。でも・・・それでもよかった。私にその3人がいればよかった。
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