美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
マドカの言葉が胸に染みた。

「ありがと・・・・・。」



「美湖!!おそいっつーのぉー!!」

部屋のドアを開けると、南波が言った。

「・・・ごめんごめん。割り箸見つかんなくってさ。・・・あっ、でも、きちんとあったし。」

「・・・・・・・・・うそ。」

心が静かに言った。

「美湖、ウソついてる。」

ドクん!!

胸が何かに突き刺さって、今にも死にそうな感じだった。

「・・・・・・・なんでよ?」

「美湖さ、気がつかないの?あんた、ウソつく時、目の色変わるよ?」

「・・・・・目の色が変わる?そんなことあるわけないじゃん。」

南波が心にそう言った。

「そういう意味じゃない!!いつも美湖の眼って海みたいに透き通ってる。でも、ウソつく時・・・・・濁るっていうか・・・・・。なんか、目に現れるんだよ!!今日のことだってホントは知ってた。美湖はウソつきたくないってことぐらい、ずっとわかってた。今日だってこんなことしてくれて、とっても嬉しい。・・・・・・・・・でもっ!!つらいことがあるんでしょう?」

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