美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
「ちょっと待ってよ!!お母さん一人になるんだよ!?いやだよそんなの!!」
「でも・・・美湖にまで迷惑かけるようなことはできないの。お願いだから・・・っ。」
お母さんが必死に私に頼んでる。
でも・・・・・・・・
お母さんを一人にするなんてできないもん。
私、お母さんがいたから、生きてこれたんだもん。
「一緒に頑張るっていう・・・・・・・・選択肢はないの?」
気が付いたらそんなことを言っていて。
そしたら、お母さんの顔がさっと変わった。
「お母さんも、そう考えたよ。でも、そしたら美湖、マドカ君に会えなくなってしまうんだよ?」
「・・・お母さん、マドカのこと知ってたんだ・・・。」
「ええ、もう、最初に会ったころから美湖の彼氏になるなって思ったわ。美湖、あなたにとって、大切なのは・・・お母さんと一緒に癌と戦うことじゃない。あなたは、ホントに一緒にいたい人たちと、一緒に笑ったり、泣いたりして、あなたなりの幸せをつかむことだと思わない?」
お母さんが、泣きながら私に訴える。