美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
「幸せもんだな、お前。」

ケン君が私に言った。

 幸せ者?

冗談じゃない。

あなたたちのほうが幸せじゃない。

家族がいるんだから。

私はその家族さえ、神にとられようとしているんだから。

幸せ者なんて、私には似合わない。

マドカが私が落ち込んでいるのをみて、

「まっ・・・・たまにはパーっといかね?カラオケ・・・・とか?」

「いいね、カラオケ!!」

「私、あれ歌いたーい!!」

その場の空気が変わった。

すごい、一瞬で、こんなにも空気が明るくなっちゃった。

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