美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
「・・・え?」
マドカが妙な反応をする。
「ふ・・・普通逆だろ!?普通は自分の姉貴を殺されたら殺した奴は死んでほしいって思うだろ・・・?お前・・・おかしいよ・・・。」

私はおかしい?違う。
「おかしいのは・・・死んでほしいって思う人だよ。自分の身内が殺されたらみんな悲しいのに、それを違う人にやらせるなんておかしい。私はおかしいことなんて言ってないよ。おかしくなんかない。マドカ君だってお姉ちゃん死んでさみしいでしょ?悲しいでしょ?私たちはその悲しみ1番よく知ってるんだから。ね?」
 私は・・・勝手に口から出てしまった。おかしいのは私?おかしいのはそう思う人?
ちがう。人それぞれの気持ちに口を出す必要なんてない。ただ死んでほしいって思うのは間違ってる。
「間違ってるんだよ。」





~♪
メールが届く。
マドカからだ。
『今日は楽しかった。ありがとう。』
ありがとう?何に?
『私も楽しかったよ。ありがとう。』
一応返事を返す。

 ありがとうなんて言われる筋合いないのに・・・。
 私のほうこそありがとうって言いたいのに。


 おかしいのはマドカのほうなのかもしれない。
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