美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
コンコン
夢ちゃんがドアをたたく。
「失礼します。」
さっきの夢ちゃんとは違って、ナースの顔になっていた。
「ご家族の方、お連れしました。ずっと病室で待っていらしてましたよ。」
夢ちゃんがお母さんに言った。
「まあまあ・・・すいませんね。美湖、帰っててもいいって言ったのに・・・困った子ね。」
お母さんはそう言いながらも笑っている。
心細かったんだ。
私は心の中でそう思った。