美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
私はマドカの横に静かに座った。

「なにかあったんでしょ?怖い顔してるから。」

マドカの顔を見てそう言った。

マドカが驚いた顔をしている。

「悪い・・・・・・・・こんなときに。お前の母さん、何も言ってなかった?」

私ははっとする。

マドカたちにはまだ何も言ってない。

マドカが私の様子を見て言った。

「そっちの話も聞く必要があるようだな。」

「それより、マドカはどうしたの?」

一瞬黙ったマドカの横顔はなんだか月明かりに照らされているだけなのかもしれないけど、凛々しく見える。

「俺の母さん・・・・・・・・・・浮気してる。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

のどに言葉が積もった。

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