美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
私たちはしばらく黙って歩いていた。
 どっちが先に口を開くかなって思っていたらお母さんがこう言った。

「あのね・・・・・お母さん再婚のことどうしようかと思うの。」

再婚・・・・・・・・・・・私は少しどきっとした。あれからお母さんと再婚の話なんかしていない。お母さんにはあのまま私だけのお母さんでいてほしかったから。


「再婚・・・・・・・・・やめるの?それとも受けるの、プロポーズ・・・・。」

 私はちょっと動揺していた。だってお母さんがもし私のためにやめるって言い出したら・・・自分の幸せを投げ出して私の幸せのために生きるとしたら・・・・きっと一生責任を感じてしまう。お姉ちゃんもそうだろうって思った。

「再婚のことね、やめようと思って。」

ズキっ
 私の心が静かに反応したのがわかった。

「そ・・・・・・れは・・・私があんなことを言ったから?」

恐る恐る聞いてみる。

「違うわよ。お母さんね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
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