美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
「え・・・そんなこと聞いてどうするわけ?」

 マドカが私の質問にびっくりしている。ふつうはそうだろう。

 だって姉を殺した奴の命日なんかふつうは聞かない。

「今月の・・・・・・・・31日。」

 マドカが重い口を開けて言った。

 今月・・・・・・・なんだ。

「そういえばマドカ君のお父さんは?」

 さっきからマドカのお母さんしか見てない。もしかして・・・・・・

「離婚だよ。姉貴が美湖の姉ちゃん殺したことで親父・・・・怒ってさ。お袋に当たるようになったんだ。いわゆる家庭暴力ってやつ?それで我慢できなくなった俺がおふくろかばったらガツーんだよ。殴られたんだ。それでおふくろは親父が俺を殴ったことで離婚決めて、仲良く家を出たってわけ。」

「そうなんだ。」

「おまえんちは?俺もお前の母親しか見てないけど。」

 母親しか見てないのは・・・・・・うちも・・・・・・・

「うちも、離婚。でも、お姉ちゃんが死んだからじゃなくてお父さんのほうが浮気したから。でも、私は知ってるんだ。誤解だって。でも、お母さんに言ったらよりを戻すって言ってくれるかわかんないし、お父さんはもう言わなくていいって言うし。」

< 28 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop