美湖 夜空を見上げてごらん?【月】

「うん・・・明日ひまかって・・・。」
と、その時
「愛美いるー?」
4人の男の子がはいってきた。
「キョウスケー。」
・・・きょうすけ?
「愛美の・・・彼氏?」
私が愛美に聞いた。
「うん。私の彼氏、近藤キョウスケ。」
愛美が私たちに簡単に紹介してくれた。
「俺らもいるんですけどー・・・。」
後ろから3人の男の子が顔を出してきた。
「おっ、この子かわいー!!」
1人の男の子が私をみて言った。」
「ほんとだー。色白!!目、青くない?」
そう。私はハーフなのだ。
 お父さんがオーストラリア人。お母さんが日本人。
「髪の毛もちょっと金髪入っていない?」
2人の男の子が私の前に立ちはだかった。
「ちょっと・・・邪魔。」
私はそう言って教室から出て行った。


「ちょ・・・ミー!?」
「美湖~・・・。」
2人が私の名前を呼ぶ。教室からだったが。
その時、私の携帯が鳴る。
「・・・はい?」
『美湖ー!!』
「こっ・・・心!?」
心からだった。
「なっ・・・どうしたの?もう大丈夫なわけ?」
『うん。大丈夫!!』
 そこで私は明日のことを思い出した。
「ねー心、明日、時間ある?」
『・・・なんで?』
「んー・・・なんかね、愛美と南波と遊ぼうってなってさー・・・心も当然遊ぶかなって。」
『うん!!遊ぶ、遊ぶ!!』

そう言って電話を切った。



「じゃあねー!!」
下からみんなの声が聞こえてきた。ここは屋上。
結局私はあれから教室には戻っていない。
「は~・・・」
私はゆっくり目をつぶった。


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