美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
 そして私は、マドカの胸の中で、そして、みんなの見ている中で意識がなくなった。




「美湖っ!!美湖ぉー!!」

‘‘あれ・・・・・誰か私の名前を呼んでる・・・・・’’

「ミー!!」

‘‘この呼び方・・・・・・南波だ・・・・・・そっか・・・・みんな来てくれたんだ。
  ・・・・・ってことは・・・・・病院?保健室?’’

 誰かが私の手を握っている。

 それだけ・・・・その手のぬくもりだけが頭からつま先まで沁み渡った。

「・・・・・・・雪原さん、目・・・覚めました?」

‘‘誰?’’

「あっ・・・・先生・・・・・いえ、まだです。」

‘‘この声は・・・・・・心だ・・・・・’’

「保護者の方は連絡がつかないので、しばらく病院にいてもらうことになりますが・・・よろしいでしょうか?」

 先生と呼ばれる人が言った。

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