美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
「美湖・・・・お前の劇は・・・・・終わったのか?」

「・・・・・うん。さっき終わったんだ。」

「そうか・・・・・見たかったな。」

ううん。

ここにきてくれただけでも・・・・

嬉しいんだ。

劇なんか遠くないところなんかじゃなく・・・・・・・・・

こんな目の前で。

「美湖、お前は英語・・・・今もしゃべるのか?」

そっか・・・・・

前は家でもちょこちょこしゃべってたんだよね?

「今は・・・・・しゃべんないかな?」

「そうか・・・・・」

そう言ったお父さんの青い眼は、なんだかさみしそうだった。

私の青い眼は、お父さん似だ。

髪の毛の金髪も。

お姉ちゃんはお母さん似だ。

髪の毛も、目も、日本人。

だから、わたしは兄弟とはあまり見られない。
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