「KARE」
結局一学期はクラブ見学もせず過ぎていきそうだった。


期末考査がはじまった。


テスト週間って大好き。

試験勉強はいやだけど適度な緊張感があって。

それに早く帰れるし。

そう言うと美喜に
『変わり者』と言われた。


でも野球部マネになった美喜とも久しぶりに登下校一緒にできるしね。

一人で電車に乗って家まで歩くのってすごく道のりが長く感じる。


そんなテスト週間も最終日で
最後のテスト用紙を点検していると


「下から読んでもい〜ぬ〜い〜」

という声が
廊下から飛び込んできた。


静まりかえっていた教室が
笑いでどよめいた。


「こらっ」


先生が外に向かって怒ってる。


来澄君だ。

いち早くテストを終えたらしい


名前を呼ばれた当の本人は…


机にばったり伏せて眠ってる。


たく、呑気というか

マイペースな人…。
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