「KARE」
朝からずっと雨。

雨は大嫌い。

今の私の心そのもの…


あれ以来何もする気になれない私



てかなんでいつもあの男子たちはうるさいのよっ!


いっつもあの窓際で騒いでる。

前から二番目の乾君の席にたむろして…

って数人に増えてんじゃん!


「自習中だよ!?静かにしてください!」


つい乾君たちに向かって怒鳴ってしまった。


みんな一斉にこっちを見てる。

またでしゃばっちゃったよ。


これじゃ私の方がうるさい女だよね。


高校ではおとなしくおしとやかにと思ってたけど


もう無理みたい。



授業を終えて三組に向かった。

美喜は教室の中で楽しそうに友だちと話していたけど
ふと私に気づき駆け寄ってきた

美喜は
中学からの大切な友だち。

同じ出身校の女子は少ないけど美喜がいてくれて
ほんと心強い。


「かえろっ」


美喜が私の腕を組んで歩き出す


「クラブ見学はいいの?」

「いいのいいの」


美喜もまだ部活を決めていない。

高校に入学したら
すぐに野球部マネをするって
はりきっていたのに

佐伯君とのことで落ち込んでいる私を気遣ってくれている。


「ごめんね美喜、私大丈夫だよ」

「いいじゃん、どうせ帰り道一緒なんだから」


毎日登下校を共にしてくれている。
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