「KARE」
その朝、乾君が来るのを廊下で待ちかまえた。
きたっ!
上靴のかかとを踏み外しカバンを後ろ手に引っ提げてゆっくり歩いてくる。
教室に近づくと下を向いていた視線を上げて睨んでいる私に
ようやく気づき
右手を軽く上げながら「よ!」と言っただけでスルーしようとしたところを
「待ってよ!」
呼び止めた。
怪訝な表情を向ける乾君。
って寝癖ついてる。
いまどき珍しいって
吹き出しそうになるのを我慢しながら
「昨日も委員会来なかったよね!?」
「行けないっつっただろ」
「どうして?もう三回目だよ?乾君は仮にも委員長なんだから」
「そんなん知らん」
「…」
まったく開いた口がふさがらない。
一体どういうつもりなのよ?
私は乾君の背中をしばらく睨みつけていた。
きたっ!
上靴のかかとを踏み外しカバンを後ろ手に引っ提げてゆっくり歩いてくる。
教室に近づくと下を向いていた視線を上げて睨んでいる私に
ようやく気づき
右手を軽く上げながら「よ!」と言っただけでスルーしようとしたところを
「待ってよ!」
呼び止めた。
怪訝な表情を向ける乾君。
って寝癖ついてる。
いまどき珍しいって
吹き出しそうになるのを我慢しながら
「昨日も委員会来なかったよね!?」
「行けないっつっただろ」
「どうして?もう三回目だよ?乾君は仮にも委員長なんだから」
「そんなん知らん」
「…」
まったく開いた口がふさがらない。
一体どういうつもりなのよ?
私は乾君の背中をしばらく睨みつけていた。