キミノウソ ボクノウソ

人なんてみんな違って当たり前なんだ。


なのにこの世界は違うことを否定する。

違うことはおかしいことだって思ってるんだ。


最悪だな……。



「なんか凄いね。そっか、個性か。」


あまりにも綺麗な顔をしていうから僕は不覚にも笑ってしまった。


「あ。あたし、神野くんの笑った顔初めてみたかも。」


笑ってたほうがいいよ、

という彼女に僕は思わず顔を背けてしまった。



「…理崎も綺麗だな」


そういうと理崎の顔がみるみる赤くなっていく。


「あっあの…男の子が、そ…そんな真っすぐなこと……言わない…で、ょ。」

だんだん声が小さくなりながらいう理崎はきっと今ここにいる僕しかみれないんだろうか…?



そう思うとなぜか心の中にろうそくのような小さな光がともったように温かくなった。


「理崎も教室でそういう顔をすればいいのに。」



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