キミノウソ ボクノウソ
でも、僕にも仮面があるから。


まだ彼女にはみせてないだけで。


彼女は僕の仮面を見ていったいどう思うんだろうか…
きっといつかは見る僕の仮面を……



「この小説……」

そういって理崎が差し出したのは僕の目的。

そう、森に忘れていった僕の忘れ物。



表紙に書かれているのは instinct という文字。



「これって『本能』って意味でしょ?」


思わず目を見開いて彼女のことを見てしまった。



「さすが、秀才だな。」


「神野くんには言われたくないわ。だって、それ原本でしょ?あたし、辞書なしで読めるほど頭よくないわ。」


「そんなことないよ。出来るのは英語だけ。他はもうサッパリだよ」



「嘘ばっかり。言ったじゃない。あたしと神野くんて似てるんだって。」



この言葉を聞いてピンと来た。

きっと、続く言葉は


「「だから全てを解りあってしまう――」」
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