痛心~雨のち晴れ~
初恋
クリスマス会
12月23日。
あたしは,町の行事である
クリスマス会に行っていた。
-山縣 優奈-
-ヤマガタ ユウナ-
-松井 志穂-
-マツイ シホ-
親友のシホと一緒に行った。
ほかの友達とも遊び,
一番楽しみの夜。
夜は,大人が会議をしているから
あたしたちを見張りに来ない。
だから,シホと話していた。
「ユウナは,好きな人おらんの?」
突然の恋バナ・・・
あたしは,こういう話が
大の苦手だった。
でも,最近,気になる人がいた。
「好きではないけど,
最近気になる人ならおるで。
シホはおらんの?」
こんな話,みんなにとっては
普通の話だろう。
でも,初めてのあたしには
とても緊張するものだった。
「あたしはおるでぇ。
ユウナ誰なん?
暴露しよけぇー!」
ばばばばばばばば暴露?
いくら親友でもキツいよ・・・。
でも,シホの目に・・・
【言わない】という選択はなかった。
「わかったけど、
シホから言ってやぁ。」
自分から言うなんて、
もってのほかだし。
シホから聞いてきたんだし、
シホから言ってくれるよね。
「あたしからぁ???
でも,かぶらんよなぁ?」
「かぶらんやろぉ。
あたしとシホは仲いいけど
趣味あんま合わんし。」
「あ,そっかぁ~
ユウナは趣味悪いもんな!」
こんなこと言っておきながら,
本当にかぶったらどうしよう。
あたしはまだ好きなんじゃないから
ごまかして,シホを応援するしかないよね。
「んじゃぁ,あたしから言うわぁ。
拓真やでぇ///」
-岑派等 拓真-
-ミネハラ タクマ-
真っ暗な部屋の中だけど,
シホの顔が赤く染まってるのが
すごくわかった。
女って,恋するときはこんな
人が変わるんだなぁ。