endorphin
なあ桂、俺たち友達じゃないのか。なにか変わったことがあったんだろ。校内でも有名な先輩に告白されたこと、俺は知っているんだぞ。どうして言ってくれないんだよ……。
自分が笹原さんの隣にいることがこれからも当たり前にあるなんてこと、思わない方がいいと思うぞ。
鼓膜の奥で河本の言葉が鈍く響いた。
「清貴……?」
戸惑った様子で俺を呼ぶ桂の声で我に返った。恐る恐る首を持ち上げると困ったような顔が俺を伺い見ている。それはいつもの桂だった。
安堵で胸を撫で下ろしながらも、俺はなんとも形容しがたい複雑な気持ちを整理できずにいた。――女じゃあるまいし、友情の度合いを比べたがるなんて、どうにかしている。
自分を叱責して、それでもざわめく感情は落ち着く気配を見せない。
散々躊躇した結果、とうとう俺はそれを桂に尋ねた。
「お前、神崎先輩と付き合うのか……?」
桂の視線は一直線に俺を捕らえて放さなかった。ゆっくりと俺の言った内容を噛み砕いて、理解したように何度か瞬きをする。
そうしてからとても静かに、品のある動作で再び体を正面に向けた。
自分が笹原さんの隣にいることがこれからも当たり前にあるなんてこと、思わない方がいいと思うぞ。
鼓膜の奥で河本の言葉が鈍く響いた。
「清貴……?」
戸惑った様子で俺を呼ぶ桂の声で我に返った。恐る恐る首を持ち上げると困ったような顔が俺を伺い見ている。それはいつもの桂だった。
安堵で胸を撫で下ろしながらも、俺はなんとも形容しがたい複雑な気持ちを整理できずにいた。――女じゃあるまいし、友情の度合いを比べたがるなんて、どうにかしている。
自分を叱責して、それでもざわめく感情は落ち着く気配を見せない。
散々躊躇した結果、とうとう俺はそれを桂に尋ねた。
「お前、神崎先輩と付き合うのか……?」
桂の視線は一直線に俺を捕らえて放さなかった。ゆっくりと俺の言った内容を噛み砕いて、理解したように何度か瞬きをする。
そうしてからとても静かに、品のある動作で再び体を正面に向けた。